ちなみに
映画「海よりもまだ深く」を観た感想の続きですが、
登場人物が発するセリフのほとんどが、真逆の感情を表出しているように思えました。
「もう決めたんだから、わかってよね?」みたいなセリフを発していましたが、
「まだ、決めたくない。阿部寛と寄りを戻すきっかけを常に探している。」
ように見えました。
②それに対し、阿部寛が「…わかったよ」的な発言をしていましたが、
「まだまだ未練タラタラ。再婚なんて認めたくない。」
という表情に見えました。
「決してフォアボールが好きなのではない。しかし、ホームランやヒットを狙い、三振になるよりましだ。」
という考え方なのかなと思いました。
この子は、とにかく「堅実さ」の固まりであり、父親が反面教師となっているかもしれません。公務員を目指したり、「素朴」な祖母に憧れたり…
④樹木希林は「人生って単純なもの」 というセリフを発しますが、決して「単純」ではないと思っている気がします。
また、「何かを諦めなければ、幸福になれない。」とも言ってますが、決して何も諦めていないように思えます。
最後に、
「本当はそんな借りなど無く、むしろ貸しがあるぐらい(お金や、仕事の面で)。」
なのかなあと思います。恐らくこの後輩の両親も離婚をし、母親一人に育てられたのだと思います。
なので、阿部寛のことをダメな元父親に重ね合わせ、慕っているのかなと思います。(もしくは、ほっとけない)
この映画のタイトル「海よりもまだ深く」には、そういった登場人物たちの「本心」が、海より深くに眠っており、それをあえてお互いに対して表出できずに(海の底にたどり着けずに)、もがきながら(もがいているという自覚もなく)、日常を過ごしているという意味が含まれているのかなあと思いました。